青柳 @ShinichiAoyagi です。
「プログラマー35才定年説」なんてことが言われたりしますが、まったくもってナンセンスですよね。
そりゃ、年齢がいくと頭が固くなるとか記憶力が落ちるとかは確かにあります。けど、そんなことは人それぞれですし、何才でどうなるかなんて明確になっているわけでもありません。まぁ、そういうことではなく、35才くらいで管理職になったりとかそういうところから来てるんでしょうけどね。
ちなみに、Windows NTを作ったデビッド・カトラー氏は当時46才だったそうです。その様子は名著「闘うプログラマー」に詳しくあります。
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(こんなデスマーチを今のアメリカでやったら裁判起こされたりとかいろいろと大変なことになりそうですが)
今現在、氏がどうされているかはわかりませんが、少なくとも2012年時点(当時69才くらい)では現役だそうです。プログラマーなのかはわかりませんが。
Windows NTの開発者「デヴィッド・カトラー」は戦い続ける
35才定年説とはちょっと毛色が違いますが、「テスターやプログラマーは下っ端。SEの方が偉い。マネージャーはもっと偉い」なんてことも言われたりするみたいですね。
これまたまったくもっておかしな話です。
マネージャー・SE・プログラマー・テスターなんていうのは役割の名称です。どれが偉いなんてことはないです。ただ、日本語のややこしいところで「マネージャー」を「部長や課長といった管理職」だと捉えると偉い人ということになります。けど、「マネージャー」を「チームをマネージメントするという役割の人」と捉えると偉いとか偉くないとかは関係ない「役割」の名前ということになります。もちろん、ここではこの意味での「マネージャー」です。
役職はピラミッド型組織の上下関係を表すものです。だから部長は課長より偉い。
しかし、役割は違います。役割が上下関係を表すことはありません。プログラマーの方がテスターより偉いなんてことはないわけです。
と思ってるんですが、給与体系がマネージャー>SE>プログラマー>テスターで格差をつけるようになっている会社もあるみたいですね。給与ではないですが、SIerからの案件だと「SE単価」「PG単価」なんてのは普通にあったりします(もちろんSEの方が高い)。
役職と役割をごちゃ混ぜにしちゃダメですよね。
より良いチームにするには各々が与えられた役割としての責任をしっかりと全うする必要があります。そこに上下関係はありません。へぼいプログラムコードを書くプログラマーがいたらテスターはどやしつけに行って構いません。反対に、へぼいテスト計画しか立てられないテスターがいたらプログラマーはどやしつけに行くことになりますが。いや、別に喧嘩しろと言ってるわけじゃありませんけど(笑)
それに役割は固定的なものではありません。あるプロジェクトにはSEとして参加している人が別のプロジェクトにはプログラマーとして参加するといったこともあるでしょう。プロジェクトによって内容や性質も異なるでしょうから、適材適所(もしくは本人の希望)で役割を決めればそういうこともあるはずです。いろいろな役割を同時に掛け持ちすることだってあるかもしれません。
ディーバの場合
ディーバ には今ところ部長・課長といった役職はありません。今だけでなく今後も役職を設けるつもりはありません。
人数が少ないからというわけでなく、仮に会社が大きくなっても部長とか課長とかはいらないんじゃないかと思っています。ホラクラシー組織とかティール組織とかいうやつです。
もちろん役割はあります。
今のところ「あなたはマネージャーです」とかそういう風に役割を明確にしているわけではありませんが、今後必要があれば役割を明確にすることもあるかもしれません。
けど、明確にしたとしてもマネージャーとデベロッパーくらいかな。営業・経理・総務とかそういうのもありますが。
デベロッパーをSE・プログラマー・テスターといった風に細分化する必要はあまりないかな?プロジェクトの規模が大きくなってくるとそれなりには役割を細分化する必要は出てくると思いますがそれにしたって「設計だけしかしないSE」とかはありえないですからあまり細かく線引きする必要はないと思っています。
さて、部長や課長といった役職がないということはそういった意味での昇進はないということになります。
上述したように役割の違いでも上下関係や給与差は生まれません。
しかし、「すごい人」と「普通の人」といった差はあります。肩書としては「スペシャリスト」とかになるでしょうか。マネージメントのスペシャリストとか、デベロップメントのスペシャリストとか、いろいろな役割ごとのスペシャリストが考えられます。
まだ評価基準や給与体系などはできていませんがこういった部分で評価し給与差をつけていきたいと考えています。簡単に数値化できるものではないのですごく難しいんですけどね。
そしてどの道に進みたいかは基本的に本人の希望を尊重します。マネージメントに重きを置きたい人、デベロップメントを極めたい人、その他いろいろ、人それぞれだと思いますし、進みたくない道を無理強いしても何もいいことはないと思いますから。
もし「現状維持でこれ以上前に進むつもりはない」という人がいたとしたらそれはそれでその人の道ということになります。いろいろと思うところはありますが仕方ないとしか言えません。
ということで、ようやくタイトル回収です。
ディーバは、各々が行きたいと思うキャリアパスに向かって進んでもらい(もちろん途中で進路変更してもぜんぜんOK)、そしてその進みに応じてそれに見合う報酬が貰える、そういう組織であろうと思っています。
正直なところ、今のディーバはこのあたりが弱いです。社長が日々の作業に追われてるようだとこういうところが弱々のままでなかなか先に進めないと最近痛感しています。そもそも、私は「一生プログラマー」と思ってたような人なのでいまだにマネージメントのことが全然わかってないというのもあるんですが(最近はそういう書籍もいろいろ読んでますが本読んだだけでできるようになったら誰も苦労しないんですよね)。
弱いとわかっているところを弱いまま放置しておくわけにはいかないので、少しづつでも進んでいかなきゃですね。